あなたなら他にどのような本を選びますか?(あるいは映画、漫画なを挙げる人もいるかもしれません) ここに記した書名から思い出すエピソードなどでも構いません。現在の若者や「かつての若者」でも、昔、または今の学生生活について考えさせられた作品をぜひ当サイトのアドレスreconsidering.icu.history@gmail.com までお寄せください!(以下は70年代までが中心ですが、80年代以降の学生生活に関するものでも構いません。夏の読書課題、対話のきっかけにご活用、ご投稿をぜひ!)
ノンフィクション、回顧録、解説書部門
1.『羊の歌』、『続 羊の歌』加藤周一 岩波書店(岩波新書) 戦前から戦後にかけての大学生、人文系学者、行動者としての人生の軌跡。紛争期までICUにいらした神田盾夫先生や森有正先生の戦争中の姿を知る逸話なども書かれている。
2.『昭和史と私』林健太郎 文藝春秋社(文春文庫)1992年 戦前と戦後での著者の姿勢の変化や東大紛争時文学部長で全共闘学生に軟禁されるが学生の要求を一切拒否したエピソードも。近代ドイツ史が専門の著者が自分史を辿りながら昭和という時代を振り返っている。
3.『全学連と全共闘』伴野準一 平凡社(平凡新書)2010年 日本の戦後史を全学連や全共闘などの学生運動という切り口から描いている。類書にありがちな難解さや偏りが少ない解説本。
このあとも皆様のご意見・感想紹介も交えノンフィクション作品リストを追加していきたく思います。
小説(あるいは文学作品)部門
1.『されどわれらが日々』柴田翔 文藝春秋社 1964年刊 1955年頃が背景で政治にも翻弄された若者が登場する小説。出版は1964年とずっとあと。60年代全共闘世代には高橋和巳と同じく広く読まれた。今読むと男女観の古さも際立つが、先に戦後史のおさらいも必要。
2.『僕って何』三田誠広 河出書房新社 1977年刊 60年代末早稲田大学生だった著者の体験などをもとに学生運動を題材に選んでいる。学生運動当事者等から、「通俗的」などの批判を受けたが、心理・哲学的テーマがわかりやすく描かれている。
3.『羊をめぐる冒険』村上春樹 講談社 1982年刊 時代背景は1970代で、筆者のほのめかしや象徴の多用はすでに顕著だが、なぜかICUのラウンジ、ICUの女子学生も冒頭近くに登場する。同著者が自分のつらい体験から解放されるために書いた治療的な意味合いもありそうな青春小説『ノルウェイの森』(1987年)にも大学紛争の痕跡が濃厚。
このあとも皆様のご意見・感想紹介も交え文学作品リストを追加していきたく思います。
(当記事の文責:村田)